暗号資産の売却等による所得の種類

暗号資産の売却等による所得は、雑所得に該当する場合が多いといえますが、状況によっては、事業所得に該当する場合もあり得ます。

事業所得に該当すれば、給与所得など他の所得との損益通算や、損失の繰越し、青色申告特別控除などが認められるのに対し、雑所得ではこれらが認められないので、事業所得に該当したほうが税計算上は有利ということができます。

所得税法第27条によると、事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で政令で定めるものから生ずる所得(山林所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいう、と定義されています。

所得税法第27条によると、事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で政令で定めるものから生ずる所得(山林所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいう、と定義されています。

一方、所得税法第35条によると、雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しない所得をいう、と定義されています。

これらの条文の定義のみからでは、事業所得に該当するか、雑所得に該当するかの明確な線引きは難しそうです。

所得税法上、事業所得の「事業」の意義について直接定めた規定は存せず、結局、法の趣旨及び社会通念に照らして解するほかはなく、過去の判例によると、「事業所得とは、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反覆継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得」と解されています。

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=56332

「事業所得」に該当するか、「業務に係る雑所得」に該当するかは、個別具体的に判断する必要がありますが、上記判例の解釈に照らすと、事業所得と認められるためのハードルは高そうです。

また、2022年8月1日に、事業所得と雑所得の判定を含む所得税基本通達の改定案を公表しました。

「事業所得と業務に係る雑所得の判定について、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定すること、その所得がその者の主たる所得でなく、かつ、その所得に係る収入金額が300万円を超えない場合には、特に反証がない限り、業務に係る雑所得と取り扱うこととします。」と定められました。

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/kaisei/220701/index.htm

従って、暗号資産の売却等による収入額が300万円以下である場合は、特別な事情がない限り、雑所得に区分されることになりそうです。この300万円の基準は、所得額ではなく収入額なので、暗号資産の場合、売買を繰り返せば収入と原価が両建てになるのでそれほど高いハードルではなさそうです。ただし、収入額が300万円を超える場合は自動的に事業所得になるわけではなく、今まで通り社会通念に照らして事業と呼べるかどうかの判定が必要になりますので、注意が必要です。

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税理士紹介

中国に居住していた2014年ごろ、国際送金の煩雑さと手数料の高さに疑問を感じ、何かいい方法はないものかと調べていたところ、Bitcoinの存在を知る。

ブロックチェーンの仕組みに感動し、Pythonでウォレットを自作して遊んだり、マイニングに夢中になる。その一方で、ローカルウォレットを格納したハードディスクがクラッシュしてBitcoinを取り出せなくなったり、利用していた取引所の突然の閉鎖や盗難によりコインを失うといった経験もする。

2016年に帰国して自身の会計事務所を開設後、独自の損益計算ツールを開発し、現在に至るまで多数の仮想通貨の申告代理業務を請け負う。

 安田英介 公認会計士/税理士

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